【実機検証/購入済】『モンスターハンターワイルズ』を1080p/60fpsで遊ぶための必要スペック

2025年8月18日

モンハンワイルズのサムネイル(必要スペック)

はじめに

2024年9月に、Steam版『モンスターハンターワイルズ』のシステム要件が発表されました。

……重すぎではありませんか?

そこで、このページでは『モンスターハンターワイルズ』を1080p/60fpsで遊ぶ方法をテーマに、収集した情報をまとめます。

【最終報告】Steam版を購入して実際にプレイしました!

2025年8月のセールでSteam版を購入し、実際にプレイしました。

私のプレイ環境は、同時期にCPUをRyzen 5 2600からRyzen 7 5700Xへ換装しました。
その結果、『モンスターハンターワイルズ』を1080p/60fpsで快適に遊べています(AMD FSR使用)。

■ ベンチマークのスコア(2025年8月のアップデート前に実施) > ベンチマーク
フレームレート制限なし
CPU/GPU共に高負荷だったため、見送り。

 モンハンワイルズのベンチマーク結果(120fps)

フレームレート制限あり(実際にはこちらでプレイ中)
AMD Software: Adrenalin Edition」の「Radeon Chill」機能でアイドル時とピーク時のFPSを60に固定しています。

 モンハンワイルズのベンチマーク結果(60fps)

CPUの換装に関する記事は以下をご参照ください。

オープンβ(2024年11月)を終えた時点での情報

私はSteam版とXbox Series X(以下「XSX」)の両方で実際に体験版をプレイしました。

結論として、PlayStation 5(以下「PS5」)およびXSXでも、常時1080p/60fpsで遊ぶことは不可能でした。

どうしても60fpsで遊びたい場合は、30万円以上のパソコンが必要そうです。また、PS5 Proでも、常時1080p/60fpsで遊ぶことは不可能でした。

【補足】
PS5 Proは「フレームレート優先」設定で約54fpsとの報告があります(オープンβ版はPS5 Proには未対応)。価格が約12万円である点に目をつぶれば、悪くない選択肢です。

■ Yahoo JAPAN ニュース
「PS5 Pro」先行試用レポート! 目玉機能□AIアップスケーリング□で生まれ変わった『FF7リバース』を体験し、『モンハンワイルズ』OBT版でフレームレートも計測した

■ 4Gamer.net
『モンスターハンターワイルズ』オープンβテストでパソコンとコンシューマ機のフレームレートを計測。やはりウルトラ設定はかなり重かった

4Gamer.net の記事が特に参考になります。私の結論と概ね同じで、検証も詳しく、綺麗にまとまっていて読みやすいです。

Steam版の推奨システム要件

発表された推奨システム要件は以下のとおりです。

  • OS : Windows10 (64-BIT必須)
  • CPU : Intel Core i5-11600K(6コア12スレッドの3.9GHz) または Intel Core i5-12400(6コア12スレッドの2.5GHz) または AMD Ryzen 5 3600X(6コア12スレッドの3.8GHz) または AMD Ryzen 5 5500(6コア12スレッドの3.6GHz)
  • MEM : 16GB RAM
  • VGA : NVIDIA GeForce RTX 2070 Super(VRAM 8GB) または NVIDIA GeForce RTX 4060(VRAM 8GB) または AMD Radeon RX 6700XT(VRAM 12GB)
  • DirectX : Version 12
  • ネットワーク : ブロードバンドインターネット接続
  • 追記事項 : 64ビットプロセッサとOSが必要です。SSD(必須)。フレーム生成を使用した場合、グラフィックス設定「中」で1080p/60fpsのプレイが可能です。DirectStorageに対応。

これだけのスペックでも、グラフィックス設定「中」で1080p/60fpsでしか遊べません。

また、「フレーム生成を使用」との記載があるため、NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)やAMDのAFMF(AMD Fluid Motion Frames)に対応する、比較的最近のGPUが必要です。

要するに、要求スペックはかなり高いと言えます。

 

【オープンβ情報】
Steam版では「NVIDIA DLSS 3.5」か「AMD FSR 3」を選択可能でした。「NVIDIA Reflex 低遅延モード」の有効/無効の項目も確認できました。

現在の私のパソコンスペック

私が使用しているパソコンの主なスペックです。

  • OS : Windows10 Pro(64-BIT Required)
  • CPU : AMD Ryzen 5 2600(YD2600BBAFBOX、6コア12スレッドの3.4GHz)
  • M/B:B450M Steel Legend
  • MEM : 32GB(DDR4 パソコン4-21300 16GB×2枚、CMK32GX4M2A2666C16)
  • VGA : Sapphire PULSE Radeon RX 6700 XT 11306-02-20G VD7607(GDDR6 12GB)
  • SSD:Samsung SSD 750 EVO 250GB(SATA 6Gb/s)
  • DirectX : Version 12

少し調べたところ、AMD Ryzen 5 2600は、AMD Ryzen 5 5500と比べて約7割の性能とされています。DLSSやAFMFのフレーム生成は基本的にGPUに依存しますが、フレームレートが向上しても、CPUが遅いとGPUはスムーズに描画処理を行えません。

CPU負荷については、『ドラゴンズドグマ2』同様、リリース後に最適化が実施されると思われます(2024年9月17日のアップデート参照)。ただ、推奨システム要件からすると、リリース時点では十分に最適化されていない可能性が高いです。

そのため、私の場合は環境の再構築が必須です。

PS5 Proという選択肢は?

通常のPS5では60fpsで遊べない可能性が非常に高いです。おそらくXbox Series Xでも60fpsは厳しそうです。PS5 Proで1080p/60fpsが実現できるのであれば、有力な選択肢です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • モンスターハンターワイルズの発売日は2025年2月28日です
  • PS5 Proは119,800円と高価です
  • 通常のPS5やXbox Series Xでの動作フレームは、現時点では不明です
    体験版では、無印PS5の「フレームレート優先」設定で45fps前後(内部解像度はFHD未満と推測)を確認
  • 「グラフィック優先/パフォーマンス優先」といった設定項目の有無も、現時点では不明です
    体験版で「フレームレート優先」の設定項目を確認しました
  • TGS2024では152台の試遊機が通常のPS5で出展されていました(PS5 Proでの試遊機はなし)
  • まずはSteam版やPS5版の体験版(Steam版はベンチマークでも可)を確認してからでも遅くはありません
  • PS5 Proの詳細スペックはRDNA 3ではなく、演算性能は16.7 TFLOPSであることが判明しています

現時点では、もう少し情報が確定するまで様子見するのが無難です。

【オープンβ情報】
PS5版は45fps前後でした。XSXも同程度と見られます。PS5 Proでも、発売時点で常時1080p/60fpsは厳しいと見込まれます。そのため、119,800円という価格も踏まえると、現時点でPS5 Proを積極的に推すのは難しいというのが個人的な見解です。

DirectStorageについて(Steam版)

DirectStorageについて調査した内容を簡潔にまとめます。

■ DirectStorageとは

ゲームにおけるデータ読み込みを高速化するAPIでMicrosoftが開発した技術。主にWindows 10およびWindows 11向けに提供(Windows 11でのみ利用できるファイルアクセスの仕組みがある)。DirectStorageはデータの読み込みと解凍プロセスを改善させる = CPUの負担を軽減。またDirectStorage1.1はGPUに解凍プロセスを任せることができるので、より高速なデータ処理の実現が可能。

対応タイトルはまだ多くありませんが、現時点で以下のゲームがDirectStorageに対応しています。

  • Forspoken
  • ラチェット&クランク パラレル・トラブル
  • Portal: Prelude RTX

『モンスターハンターワイルズ』の公式推奨環境で「140GBのSSD」が必須と記載されているのは、DirectStorageを前提とした設計によるものと考えられます。

DirectStorage 1.1はWindows 11が最適ですが、Windows 10でも使用可能です。最善の組み合わせは、「Windows 11 + NVMe SSD + DirectX 12対応GPU」です。DirectStorage 1.1を利用した場合、読み込み速度がDirectStorage 1.0と比べて最大で約3倍に高速化されるとされています。

お使いのPCがDirectStorageに対応しているかの確認手順は以下のとおりです。

  • Windowsキー + Gを押す
  • 設定を開く
  • ゲーム機能を確認

 

ちなみに、私の現在の環境では非対応でした。NVMe SSDを搭載していないことが一因と考えられます(SATA SSDでは十分な効果が得られにくい可能性があります)。

2024年9月28日時点の情報

フレームレートに関して、開発陣から回答がありました。

■ ファミ通.com
『モンハンワイルズ』開発陣インタビュー。藤岡D「まだ開発中のため現状のパソコン版最高スペックは明言できません。いずれはお伝えしたいです」【TGS2024】

■ 電撃オンライン
『モンハンワイルズ』インタビュー。PS5 Proでプレイしたときの恩恵やイャンクック再登場の理由とは?【モンスターハンターワイルズ/TGS2024】

ざっくりとした内容は以下のとおりです。

  • PS5 Proへの対応は、いまだ検証段階で明確なことは言えない
  • パソコン版(PC版)は開発中のため、60fpsでプレイするための詳細スペックを公式として明言できない

個人的には、発売まで半年を残す状況で、開発状況がやや心配です。REエンジンは、想像以上にオープンワールド系タイトルに向いていなような印象です。

PS5 Proの予約開始は9月30日、発売は11月7日です。体験版(またはベンチマーク)がいつリリースされるのかが気になります。

※ 『ドラゴンズドグマ2』の際は、キャラクタークリエイト体験版のみの提供で、発売後の評価は芳しくありませんでした。同様の失敗は避けてほしいところです。

2024年10月23日時点の情報

2024年10月23日に放送された「モンスターハンターワイルズ ショーケース」で、オープンβテストの実施と日程が発表されました。

対象プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X|S、Steamで、2024年11月1日(金)12:00〜11月4日(月)11:59に実施されます。また、PlayStation 5でPlayStation Plusに加入している人は、2024年10月29日(火)12:00からプレイ可能です。

発表された要求スペックは高く不安でしたが、同じエンジンを用いる『ドラゴンズドグマ 2』の2024年10月17日のアップデート』を見る限り、CSハードでも1080p/60fpsで問題なく遊べる可能性が高まったと判断しています。

オープンβテストを終えて

 

総括すると、概ね以下の結果となりました(グラフィックス設定は「フレームレート優先」を前提)。

  • 私のパソコン:XSXより劣るプレイ体験でした
  • PS5 Pro:発売時に1080p/60fpsはおそらく不可能
  • 無印PS5:45fps前後でした
  • XSX:45fps前後。1080p/60fpsは不可能でしたが、納得できるプレイ体験は得られました
  • XSS:モンスターの描画距離やマルチプレイ時のフレームレートに難があり、私としては非推奨です

私のPC環境では、CPUがボトルネックでした。当初の懸念どおりの結果です。

フレーム生成をONにし、グラフィックプリセットを「中」、アップスケーリングを「AMD FSR 3」、アップスケーリングモードを「ウルトラパフォーマンス」、ゲーム全体のフレームレート上限を「60」に設定すると、プレイ自体は可能でしたがCPU使用率が80%前後となり、好ましくありません。フレーム生成の影響か、画面のちらつきや残像が目立ちました。参考までに、GPU負荷は37%前後でした。

今後の方針として、M/Bの「CPUサポート一覧表」を確認したところ、Ryzen 7 5800XT(8コア、3.8GHz、Vermeer、42,450円)への換装が可能なようです(M/BのBIOSはアップデートが必要)。次にNVMe SSDの追加も検討しています。

この状態でプレイ感覚を確認し、それでも納得できなければ、VGAを交換するのが最善だと考えています。

【補足】
Steam版のプレイ環境や設定項目はさまざまです。また、プレイヤーごとに「納得できるプレイ感覚」も異なります。私のフレンドは「XENOVA GAMING LITE M-Spec-Ready【モンスターハンターワイルズ XENOVA推奨」というパソコン(Ryzen 5 5500+RTX 4060 8GB+NVMe SSD)で、NVIDIA DLSS 3.5を利用し、ストレスなくプレイできていると話していました。