【レビュー】ロードス島戦記 ディードリット･イン･ワンダーラビリンス – 気軽に遊べる初心者向けメトロイドヴァニア【感想】

2022年3月13日2023年7月4日

作品紹介

「ロードス島戦記 誓約の宝冠」に至るディードリット空白の物語をメトロイドヴァニアで再現！ 開発はSteamで「圧倒的に好評」の評価を受けた「Touhou Luna Nights」を作った日本のインディーゲーム開発チーム「Team Ladybug」が担当。永遠の乙女 ディードリットを操作して全6ステージの迷宮に挑め！

　

[Very Good] ロードス島戦記×メトロイドヴァニア！

「ロードス島戦記」を読んだのは小学生の頃でしょうか。灰色の魔女…おそらく私が人生で初めて読んだ小説です。私に読書の面白さを教えてくれた作品でもあります。

　

そんな思い出の作品がゲーム化される。

エルフのディードリットを操作してピロテースやアシュラム、ベルドといった…あの懐かしのキャラクターと戦える！ 登場するキャラクターも美麗なドットで描き込まれていて、これでもかと滑らかに動く！ 原作のファンであればもうこれだけで感無量な作品でした。

ちなみに私はなぜかモチベが上がらずSteam版を攻略途中で積んでいました。サントラに釣られてNintendo Switch版を購入したのをきっかけに最終的にはGame Passで遊んでいます。

[Good] 心地よいアクション要素とユニークな精霊システム

本作のアクション要素は「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」を意識した作りとなっています。探索型の「悪魔城ドラキュラ」をプレイしたことがある人であれば特に抵抗なく楽しむことができるでしょう。

　

特徴的なゲームシステムとしては精霊システムがあります。

　

ディードリットが使役する風の精霊シルフと炎の精霊サラマンダーを切り替えることで属性の変更が可能です。風の精霊シルフの使役中は風攻撃に対して強く、炎の精霊サラマンダーを使役中は炎攻撃に対して強くなることができます。

同じ属性に合わせて敵の攻撃を吸収することで回避が難しい攻撃をやり過ごすといったゲーム性はなかなか面白い試みかと感じました。

また、敵を倒した際に発生するソウルスクリームを吸収することで使役している精霊のレベルアップが可能です。精霊のレベルがMAXの時にはHPが自動回復するといったアクション初心者への救済要素が考慮されている点も好印象です。

[Bad] 全体的にボリューム不足…

全ての実績を解除するまでプレイしても10時間程度となっています。やはり若干のボリューム不足感は否めません。

　

本作には武器の強化やソウル集めといった要素がないため、さくさくとゲームが進行します。このテンポの良さが悪い方向に働いてしまっていて、個人的にはマップを探索する面白みが薄いと感じてしまいました。

また、道中ではギムが武器やアイテムを販売しているのですが、特に購入する必要もなく…道中で入手した武器やドロップ品で攻略可能なバランスでした。

最終アップデートで追加された主な要素は以下。

　

• 実績の追加
• ボスラッシュモードの追加
• 敵や装備などの図鑑の追加
• New Game+モードの追加

New Game+モードはHPやレベルを固定した縛りプレイ用のモードです。個人的には縛りプレイはそこまで好きではなく φ(･ω･`) 敵の体力や攻撃力を増やしてやり込み要素で突破する方向性の調整が好きなので微妙でした。

[Bad] 初心者を苦しめる攻略過程のボスラッシュ…

ゲームの攻略過程においてボスラッシュ戦が必須となります。ボスラッシュを突破しないとゲームをクリアすることができないのです。

　

このボスラッシュだけ異様に難しくないですか。

今まで比較的簡単だったゲームの難易度がここで一気に跳ね上がります。せっかく楽しく遊んできたプレイヤーを萎えさせる要素は私は攻略過程に不要だと思います。ボスラッシュは別のモードで遊ばせた方が良かったのでは？と感じました。

[総評] 原作が好きなら買っても後悔しない

アクションゲームとして概ね良作。原作が好きなら…といった感じでしょうか。ただ、ストーリー性は薄いので期待はしないでください(そういう意味では原作を知らなくても楽しめます)。

　

メトロイドヴァニアの入門用には丁度良い作品です。ですが、過度の期待をすると物足りなさを感じてしまうかも。クリア後のやり込み要素が私の好みではなかったのでこの評価です。設定的に難しいのかもしれませんが、クリア後にディードリット以外のキャラでも遊べるモードが欲しかったです。

YouTubeで動画も公開していますので観てみてくださいね♪