【レビュー】Wo Long: Fallen Dynasty – 次回作が楽しみなダーク三國死にゲー【感想】

2023年3月31日

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作品紹介

「Bloodborne」のプロデューサーと「仁王」のプロデューサーが手掛けるダークファンタジー版の三国志「ウォーロン フォールン ダイナスティ」。悪魔が蔓延る三国志時代の世界をTeam NINJAが再現。三国乱世を戦い抜くひとりの義勇兵の物語が始まります。Day One on Xbox Game Passタイトル。

よく比較対象として挙げられる「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」や「仁王シリーズ」は未プレイのため、本レビューでは純粋なアクションゲームとしての評価をご紹介します。

 

■ レビュー執筆時の情報
プレイハード:Xbox Series X|S
プレイ時間:約43時間(1周クリアは約30時間)
プレイ状況:2周目の途中までプレイ

価格:8,580円

公式サイト / 公式Twitter / Microsoft Store / DLC(2023年6月予定)

[Very Good] ハイクオリティなキャラクタークリエイション

自キャラはかなり細かい箇所まで作り込めます!

 キャラクリエイション1

作中に登場するキャラクターのモデリングも総じてクオリティが高く、趙雲はイケメンだし、女性キャラも可愛いです。

 紅晶

体験版の最後に登場した紅晶を見て、つい製品版では女性キャラを自キャラとして選択してしまいました。

 キャラクリエイション2

NPCと同じぐらい可愛い自キャラが簡単に作れるのは、この手のキャラクタークリエイションが好きな人にはたまらない要素ではないでしょうか。もちろんオプションで頭装備を非表示にすることも可能です。

[Good] アクションは合格ライン

アクションゲームとしては合格点を出せるレベルで面白い。歯ごたえのある三國無双な感じ。

 張梁

最初のボスの張梁戦では「え? いきなり最初からこんなに強いの!?」と驚きました。ボスが早々にスーパーアーマー化するのでアクションが苦手な人には少し厳しいかもしれません。

 呂布戦

誰もが最初は苦戦したと思われる呂布戦(1回目)に至ってはかなり沼りました。

実際に私のフレンドは呂布戦でプレイを辞めてしまったのですが、個人的にはこの呂布戦を乗り越えてから楽しくなりました。そうです、私はあまりにも適当にプレイし過ぎていました。

私と同じような状況で苦戦している人のために最低限覚えておくべき要素を簡単にご紹介します。

◆ 攻略のコツ1:士気ランクを高めよう

体力ゲージの上に表示されている数字のこと。

 絶脈

士気ランクは敵を倒したり、武技や氣勢攻撃や絶脈を敵に当てることで上げることができます。

本作はほぼ「士気ゲー」と言っても過言ではないぐらい強い補正がかかるため、ボスに勝てない場合は道中の雑魚で士気ランクを上げてから挑むと良いでしょう。最大で25まで上げることができます。

◆ 攻略のコツ2:軍旗や標旗を探そう

不屈ランクは軍旗は立てると+2、標旗を立てると+1上昇します。士気ランクは死亡すると下がってしまいますが、上げた不屈ランクより下がることはありません。

 ゲームオーバー画面

ようするに不屈ランクを上げておくことで死亡時のリスク(士気ランクが下がることによる難易度の上昇)が軽減されるのです。何回もボスに挑戦することになると思いますので、必ず不屈ランクは上げておきましょう。

◆ 攻略のコツ3:それでも勝てないなら他の方法を模索しよう

軍旗メニューの能力鍛錬から仙氣を消費することで自信の能力を上げることができます。

 能力鍛錬画面

仙氣は死亡すると減ってしまうので、こまめに能力は上げておこう。本作はアクション"RPG"です。「主戦場」だけでなく「副戦場」にも挑んで仙氣を稼いで能力を強化しましょう。能力は天柱山の隠れ里で自由に振り直しが可能ですので、最初は適当に強化しても大丈夫です。

能力を強化したら次は仙術を試してみましょう。仙術には木・火・土・金・水の5種類があります。序盤は木と土がオススメです。色々と試してみると本作で重要となる要素の優先順位は概ね下記のような結論に至るかと思います。

士気ランク > 不屈ランク >> 仙術 >> それ以外

あとはボスに何度も挑戦して攻撃パターンを覚えれば比較的苦戦することもないかと思います。

[Bad] 頭に入ってこないゲームシステムの名称

氣勢、仙氣、武技、仙術、神獣招来、神獣共鳴、鼓舞、煉鋼、鞣革、象嵌……

 わかりにくいシステム名称

……文字だけ見るとパルスのファルシのルシがパージでコクーンで?って状態です。世界観を重視しているのはわかるのですが、さっぱり頭に入って来ませんでした。

[Bad] 必要性を感じない天柱山の隠れ里

拠点を作りたかった気持ちはわかる。

 天柱山の隠れ里

でも、その拠点での目的地(鍛冶屋)までの移動手段が大問題。なぜか木の根を伝っていくことを強制させられたうえに落下判定のオマケつき。何を考えて作ったのか理解に苦しみます。

普通に軍旗メニューから鍛冶屋を利用できるようにして欲しい。

[Bad] 化勁(かけい)に依存するゲーム性は一長一短

本作の最大の特徴でもある防御アクションの化勁。成功すると敵の攻撃をいなして素早く反撃することができます。さらに敵の氣勢を減少させ、氣勢ゲージの下限も削ることができます。

 化勁

個人的にはこのシステムが本作の可能性を狭めてしまっていると感じました。

ボタン1つで出せる化勁は慣れれば爽快感のあるアクションを楽しむことができるでしょう。ただ本作のゲーム性はあまりにもこの化勁というシステムに依存し過ぎています。結局は士気ランクを上げて敵の秘技を化勁してから絶脈を決めるだけのゲームになってしまっています。

そのため、色々とキャラクターをビルドする楽しみが無いんですよね。個人的にはもう少しゲーム性に深みを持たせて欲しかったです。

[Bad] 普通のボスと戦いたい…

私が最も微妙だと感じたのは妖魔化したボスとの戦いです。

クリア後に振り返ってみると呂布戦(1回目)が一番面白かった。おそらくここが本作のピークです。その次に面白かったのは張梁戦(最初のボス)と張遼戦。基本的には人間との戦いが面白かったですね。

 張角1

あとのボスは大抵が妖魔化されています。ダークファンタジー版の三国志ということで開発陣の気合は伝わってくるのですが…それがアクションゲームの面白さに繋がっているかというと…。

 張角2

相手の攻撃モーションがわかりづらくなってストレスが溜まるデメリットの方が大きかったです。

[総評] 面白いが改善すべき課題が多い作品

1周目は30時間ほどでクリアできました。想像以上にボリュームがありました。

 プレイ時間画像

1周目をクリアするとハードモードの2周目(昇龍の道)が解放されます。

2周目では希少度★5や新たな特殊効果が付いた装備品がドロップされるようになります。ただ現状は色々なビルドを組んで楽しむ要素が無いため、何をモチベーションとして2周目をプレイすれば良いのかわかりませんでした。色々な可能性を秘めていると感じましたが、同時に改善すべき課題も多い作品かなと思いました。

 呂布(2回目)

6月にはDLCのリリースが予定されています。内容次第では購入して遊んでみたいと思います。

個人的には鍛冶屋で武技の入れ替えが可能になるなど、ハクスラトレハン系が強化されたらもっと楽しくなりそうな気がしますが、いかがでしょうか。

総評:★★★☆☆
シナリオ:★★★☆☆
ゲームシステム:★★★☆☆
サウンド:★★★☆☆
ダークな世界観:★★★★★

■ こんな人にオススメ!
・歴史が好きな人

・歯応えのあるアクションゲームが好きな人

・三國無双シリーズが好きな人

YouTubeで動画も公開していますので観てみてくださいね♪