【レビュー】Trek to Yomi(黄泉への旅路) – 冥界下りがテーマの剣戟アクションゲーム【感想】
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作品紹介
ポーランドのワルシャワを拠点に設立されたゲーム開発スタジオ「Flying Wild Hog」が開発した全編モノクロの剣戟アクションゲームです。舞台は江戸時代…これは愛する者と故郷を奪われた孤高の侍の物語。
■ レビュー執筆時の情報
プレイハード:Xbox Series X|S
プレイ時間:4時間30分
プレイ状況:1周クリア
価格:2,350円(ダウンロード版)
[Very Good] 拘りを感じる映画的演出
ゲームを開始してまずプレイヤーの目を引くのは、その美しくも特徴的なビジュアルです。全編モノクロで描かれた「Trek to Yomi」の世界はどのシーンも印象的で、開発者の映画に対する熱意がこれでもかと伝わってきます。
特に雨や炎といった演出がとても印象的でした。
「モノクロなんてしょぼいんじゃないか?」と以前の私は思っていました。学生時代に「オーソン・ウェルズ」の「市民ケーン」や「フェデリコ・フェリーニ」の「フェリーニのアマルコルド」で初めてモノクロ映画を体験し、衝撃を受けたことを今でも覚えています。
本作は黒澤明監督の映画に大きな影響を受けているようで、また開発者の方はこれを機に「日本の名作映画をもっと観て欲しい」と言われています。お恥ずかしいことですが、まだ黒澤明監督の作品をしっかりと観たことがないので、本作を通じて一度観てみたいと思いました。
[Good] キャスティングが良い!
妥協を許さないキャスティングにより、安心して作品の世界観に浸ることができます。
- 主人公の大輝(加藤将之)
- 愛子(ブリドカットセーラ恵美)
- 三十郎(白熊寛嗣)
- 影炎(大塚明夫)
…敵がスネークの時点でアガるぜ!
[Bad] 中盤~後半の世界観がやや冗長気味…
本作は「冥界下り」がテーマの物語となっています。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、この部分は「フェデリコ・フェリーニ」の「8 1/2」みたいな感じの主人公の苦悩が冗長気味に語られていて憂鬱な気分となりました。
タイトル回収は重要な要素だとは思いますが、私はもっとチャンバラを…殺陣をしたかったですね。
[Etc] アクション要素はやや単調
熱意を演出面に全振りしてしまったのか、アクション要素はやや単調な出来となっています。
基本は弱攻撃と強攻撃の2種類で、ボタンや方向キーの組み合わせで様々な技を出すことができます。このボタンを押すタイミングが意外とシビアで、ボタン連打では簡単に技が出せない仕様となっています。この点においては敵との戦闘に適度な緊張感が生まれて良かったのではないでしょうか。逆に前強攻撃の突き攻撃は硬直が酷いクソ雑魚性能となっています。よく暴発するので注意しましょう。
タイミングよく刀で敵の攻撃をガードすると弾きを出すことができます。弾きから反撃を決めると自分の体力が少量ですが回復します。また、敵を気絶させるとトドメ技に派生させることができ、こちらは決めると体力が大幅に回復できるので積極的に狙って行きましょう。
ボス戦は歯ごたえのあるアクションで、ノーマルの難易度でも何回かやり直しを強いられました。難易度の変更はいつでも可能となっているので、勝てない人は難易度を下げて楽しむと良いでしょう。
[Etc] 周回要素は無し
強くてニューゲームはなくてもいいけど、収集物は引き継いで欲しかったです。正確に言うと画面に見えないだけで内部的には引き継いでいるようなのですが、どの収集物が不足しているのかわからず不親切です。
[総評] 演出面に全振りした作品、時代劇が好きなら!
熱意を演出面に全振りしてしまって、ゲーム部分はやや軽視されている印象を受けました。
プレイ時間としては1周クリアで約5時間程度と比較的短め。週末に映画を観る感覚でさくっとクリアすることができます。クリアすると浪人(難易度ハード)の上の剣聖(難易度ベリーハード)が解放されます。この剣聖モードは強敵以外全て一撃で倒れますが、あなたも一撃で倒れるという「ブシドーブレード」も驚きの一撃必殺モード。実際に遊んではいませんが、プレイする前から大砲雑魚や槍雑魚に苦戦させられるのが想像できます。
本作には周回要素の概念がなく、ゲームをクリアするとセーブデータが初期化されてしまいます。ゲームの途中で3択の選択肢を選ぶ場面があったので多少の物語の分岐もありそうです。分岐も気になるので難易度ハードぐらいまではクリアしたいです。
総評:★★★☆☆
シナリオ:★★★☆☆
ゲームシステム:★★★☆☆
サウンド:★★★★☆
没入感:★★★★★
■ こんな人にオススメ!
・時代劇が好きな人
・映画が好きな人
動画でチェック!
YouTubeに動画もUPしているので宜しければ観てみてください。
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灰皿ソニックブームの時代を駆け抜けた元アーケードゲーマー。ゲーム好きが高じて、まだ見ぬ面白いタイトルを日々探している人。「YouTube」でも情報発信中! もっと詳しいプロフィールは「ブログ管理人紹介」を御覧ください。
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