【レビュー】深世海 Into the Depths – 音+水を徹底した水中サウンドが特徴の新感覚海中探険アドベンチャーアクションゲーム【感想】

2023年7月20日

 

作品紹介

　

地表が氷に覆われ、人々が海中で暮らすことを余儀なくされた世界。長い年月が経った今も迫りくる氷は広がり、全ては朽ち果て続けている。そんな世界に一人で生きている主人公が、偶然出会った未知の機械「潜導」に導かれ広い世海に出る。この「世海」の謎を探るため、深い海の底を目指す。「深世海 Into the Depths」はカプコンが贈る新感覚海中探険アドベンチャーアクションゲームです。

　

本作はカプコンとしては珍しい25人ほどの少人数で開発されたタイトルですが、昔のアクションゲームメーカーとしてのカプコンを彷彿とさせる拘りの作品でした。

　

[Very Good] 魅力的な世海観！

プレイヤーは「潜海者」となり、広大な海の中を探索し、深海の底を目指します。

　

本作の基本は深海を探索して資源を採掘し、入手した資源を使って自身の潜水服や武器を強化したり、消費アイテムを作成して物語を進めていきます。海版の「スチームワールドディグ」のようなゲームと言った方がわかりやすいでしょうか。作中には酸素の概念が存在していて、この酸素は時間と共に減っていきます。酸素が無くなると窒息死してしまうので、海底から湧き出ている酸素に触れたり、消費アイテムを使用して少しずつ探索を進めていきましょう。

　

潜水服を強化することで酸素ボンベの上限を増やすことができます。しかしこの酸素ボンベは敵からの攻撃を受けたり、高い所から落下した衝撃で破損してしまうことも…。特に地面に足を付ける際は細心の注意を払う必要があります。重いスーツを着ているのでちょっとした足場でも足を滑らせてしまう不自由感とエアーブーストで飛ぶように移動する気持ちのよい操作感が絶妙なバランスです。この水中のもどかしさを感じる独特の操作性は「バルーンファイト」そのものでした。

　

そんな本作でまず最初に目に飛び込んでくるのは個性的な世海観でしょう。様々な海洋生物、海に沈んだ「世海」の遺物が沈んでいる海中は誰かが作ったアクアリウム感を感じます。読めそうで読めない文字や曼荼羅的なデザインやお辞儀といった要素も本作をより個性的な作品にしています。

　

ゲームを進めると「潜水艦」も入手することができるので、さらに探索の幅も広がりますよ。

[Very Good] 音+水を徹底した水中サウンド！

本当に水の中に潜っているような臨場感を楽しめるサウンドが凄い！

　

それもそのはず、本作は音と水に徹底的に拘って制作されています。ハイドロフォンという水中収録に特化したマイクと、防水加工を施したダイナミックマイクを水に沈め、そのマイクの周りで様々な演技をして音を収録したとのこと。主人公の「潜海者」やマスコット的存在の「潜導」を始めとして、ほぼ全ての音を水中で収録しています。BGMも通常通り地上で作った音楽を水中スピーカーを通して水中マイクを通して水中感に拘ったいうから驚きです。

　

水中にいる時に比べて水から出た時のBGMがクリアになるのも細かいですね。「有線イヤホン、又はヘッドホンを着用して水中サウンドをお楽しみください」というゲーム開始時に表示される文章に偽りはありません。クリア後は「自動演奏装置」というミュージックプレイヤーが解放されるので、心行くまでサウンドを堪能することができますよ。

　

この「自動演奏装置」では好きな曲に、ゲーム中で使用している様々なエフェクトをかけて聴くことができます。深度を選択することで細かく調整できたり、洞窟内のような反響するエフェクトをかけたりなど、お好みで「深世海」の楽曲を楽しむことができます。

下記の動画でメイキング映像を確認することができます。よろしければ観てみてください。

『深世海　Into the Depths』サウンドメイキング映像

　

[Bad] ボリュームが少し物足りない…

　

7時間30分ほどでクリア。ボリュームも「スチームワールドディグ」と同じぐらいでした。週末にさくっと遊ぶには丁度いい感じです。

[総評] 音と水に拘った隠れた名作

辿り着いた最深層で待ち受ける真実とは。未知の機械「潜導」の正体は。果たして人類は生き残っているのか。衝撃のラストがあなたを待っています。

　

プレイ時間は短いですが、お値段以上の体験を提供してくれることでしょう。個人的には「スチームワールドディグ2」のような正統進化の続編を望みたいタイトルですね。

　

暑い夏に最適なタイトル ( ' – '*) もちろんヘッドフォンの装着も忘れずにね！

YouTubeで動画も公開していますので観てみてくださいね♪