【レビュー】モンスターハンターライズ – 翔蟲アクションで従来の概念を超えた新次元ハンティングアクション!【感想】

2021年12月1日

作品紹介

説明不要の大人気ハンティングアクション「モンスターハンターシリーズ」の最新作がNintendo Switchに登場! 翔蟲を利用した縦横無尽のアクションを駆使して新生モンスターハンターの世界へ一狩りいこうぜ!

 

■ レビュー執筆時の情報
プレイハード:Nintendo Switch
プレイ時間:185時間
プレイ状況:上位クリア

価格:5,990円(ダウンロード版)

公式サイト / 公式Twitter / My Nintendo Store

[Very Good] 翔蟲を利用した縦横無尽のアクション要素!

 

本作の目玉でもある翔蟲アクションがとにかく最高です!

従来の作品では、敵の攻撃はガードもしくは横方向(X軸方向)に回避して反撃するターン制のアクションゲームでした。今作では翔蟲アクションの「疾翔け」が導入されたことで縦方向(Y軸方向)にも回避が可能となりました。新機軸のアクション要素の実装…これは革命的な変化と言えるでしょう。

古参のカプコンファン向けに説明するなら、今まで使っていた「ファイナルファイト」のコーディーが、一気に「エイリアンVSプレデター」のリン・クロサワに進化した感じです。今までと比べて圧倒的にやれることが増えました。

 

「疾翔け」を利用することで、抜刀中は動きが遅い大剣やランスでも素早くモンスターに接近できるようになりました。鉄蟲糸技を使えばガンスは空も飛べるようになりました(飛べるだけで弱武器ですが…)。この翔蟲アクションこそが本作の特徴であり、最大の魅力でもあります。

■ 翔蟲アクション
「翔蟲ゲージ」を使用するアクション。空中移動が可能な「疾翔け」、モンスターの攻撃を食らった時に素早く体勢を立て直すことが可能な「翔蟲受け身」など、翔蟲アクションによって従来の作品からアクション要素が大幅UP!また翔蟲を使った専用技「鉄蟲糸技(「MHXX」でいいう狩技のようなもの)」を駆使して戦え!

 

[Good] 一見すると複雑ですが実は初心者に優しいゲーム設計

 

初代「モンスターハンター」が発売されたのが2004年。さすがに今作で17年目となるのでシステム関連は洗練されています(ただしオンライン関連は除く…)。

注目は今作から新しく追加された「オトモガルク」でしょうか。

「オトモガルク」は犬型のオトモで、背中に乗って高速移動ができるだけでなく、乗ったまま回復アイテムや砥石を使用することができます。もう従来作品でよく見られたモンスターが移動したらみんな揃って武器を砥ぐ光景というのは時代遅れとなりました。犬派の人も喜んでいることでしょう。また各フィールドマップにはサブキャンプを設営できる場所が用意されており、サブキャンプを解放することでファストトラベルもできるようになりました。

今作では従来作品でもお馴染みの卵運びクエストですら疾翔けによって快適になっています。ゲームの難易度もどちらかというとソロ向けな調整となっており、本作から始める初心者の方でもストレスを感じることなく楽しめる作品となっています。

[Good] 見た目装備の作成が捗る重ね着システムの実装!

 

2021年4月28日に配信されたver2.0.0にて「重ね着システム」が実装されました。

重ね着装備の作成は「装束チケットと一部のモンスター素材」を利用して作成するだけの神仕様!「MHXX」の頃は防具合成といって作りたい見た目装備の数だけ同じ防具を用意する必要がありましたが、今作ではその苦行は必要ありません。上位の重ね着装備でも必要な素材が少ないのが最高です ( ' – '*)

 

これでやっと見るに堪えなかった私の男キャラもオシャレになってモチベが上がります。これは重要な要素です。 

[Bad] 60fpsで遊べないのね…

今作は「REエンジン」を使った初めてのモンスターハンターとなります。しかし、今作の最大の魅力である縦横無尽のアクションが60fpsで遊べません ( ᵕ_ᵕ̩̩ ) Nintendo Switchのスペックの問題かと思いますが、やはり30fpsと60fpsでは雲泥の差があります…。

この点については後発であるSteam版に期待したいですね。願わくばNintendo SwitchとSteam間でのクロスプレイ & クロスセーブを実現して欲しいです。別ゲームですが「Hades」はPCとNintendo Switch間のクロスセーブを実現していたりするので…。

[Bad] シリーズを重ねるごとに退化するオンライン周り

 

快適になったゲームシステムとは裏腹にオンライン関連は全体的に退化しています。いいなと感じたのは集会所クエストの3人用の難易度の追加とスタンプ機能ぐらい。

オンラインプレイは集会所を作ってロビーに集まる従来の方式と「MHW」で導入された参加要請の2種類の遊び方があります。これが「とりあえず両方とも実装しました」といったお粗末な内容で、どちらも中途半端なのです。開発側が迷っている時点で作り込みは甘々です。

また任意のタグを使ってマッチングを支援するハンターコネクトはゲーム中でもまともな説明がないので現状は全く機能していないし、機能することはないでしょう。なぜ「MHXX」にあった「フレンドはパス不要」がなくなったのか? これが代わりとなる機能なのですが普通にわかりにくいですね。仕組みを理解していない人も多いのではないでしょうか。グッド機能などもありますが、根本的なオンライン関連の要素が終わっているのでほぼ活用できませんでした。

 

私が最も驚いたのがロビーにおける検索画面のポンコツさです。「ここだけバイトが作ったのかな?」と思ってしまうレベルで酷く、検索条件として使用できるのはなんと以下の5項目のみとなります。なぜコメントで検索ができないのでしょうか…理解に苦しみます。

  • ターゲット
  • 形式
  • HR下限
  • HR上限
  • 言語

検索画面よりさらに酷いのが検索結果の一覧画面です。検索結果のスクロールが1行ずつしかできません。普通こういう画面では「→や←」で「PageUpやPageDown」ができるじゃないですか。不可能です。Rボタンとかを押しても無理です。

もう部屋名を任意に決めることができない以前の問題で、令和の時代にもなって1行ずつ上下にスクロールするしかできない仕様に絶望すら感じました。

こんな仕様で誰がロビーを活用しようと思うのでしょうか。

ちなみに「だれでも歓迎!!」というコメントの部屋はデフォルト(コメントを変更していない)の部屋です。やっぱり入るならデフォルトのコメントの部屋より「順番にクエストを選択しましょう」や「チャット歓迎!」の部屋に入りたいと思いませんか。なぜそれができない & 実現しようとしないのでしょうか。この不自由さが改善されない限り「モンスターハンター」の今後の発展はないでしょう。

[Bad] すぐ飽きる百竜夜行…

 

完全に企画倒れな印象が強いです。最初こそモンスターがたくさん登場するので楽しいものの、すぐに飽きて遊ばなくなりました。タワーディフェンスとしての面白さも皆無です。

プレイ時間が長くなるのもデメリットですね。百竜夜行限定でヌシ個体(MHXXでいう二つ名個体みたいなもの)という強化個体が登場するのですが、アップデートによって最終的には個体クエストで戦えるようになりました。百竜夜行の存在意義とはいったい…。

[Bad] 圧倒的なエンドコンテンツ不足…

 

2021年7月現在ではエンドコンテンツが弱く、マカ錬金による護石ガチャのみとなっています。従来の炭鉱夫がモンスター素材を使った護石ガチャになっただけです。

  • 今作はワールド方式のスキルシステムのため必要なスキルが組み合わせやすいこと
  • 強力な装備が必要となる高難易度のクエストが存在しないこと
  • 実はオンラインよりソロの方が簡単…
  • ぶっちゃけオンラインがあまり面白くない(致命的)

上記理由から残念ながらエンドコンテンツに熱中することはありませんでした。やっぱりギルクエや二つ名要素のようなエンドコンテンツが欲しいところです。

[総評] アクションは進化したがMOとしては不合格な作品

 

185時間しか遊んでいません…。

アクション要素に関してはシリーズで最高の出来となっています。ですが、この手のゲームに必須ともいえる「やり込み要素」や「オンライン要素」が極めて低水準です。

今後のアップデートによるテコ入れ、もしくは今後リリースとなる「MHRiseG」に期待したいですが、最重要となる要素はSteamとのクロスプレイ&クロスセーブの実現でしょう。それを実現しない(できない)限りは近い将来「モンスターハンター」は衰退することでしょう。そろそろオンライン関連にも注力すべき時期ではないでしょうか。

[追記] PC版について雑感

2021年9月30日 TGS2021にて「モンスターハンターライズ」のPC(Steam)版が2022年1月13日に発売されるとの発表がありました。

 

PC版の特徴は下記。

  • 4K解像度対応
  • グラフィックスオプションによる最適化
  • ボイスチャット対応
  • キーボード & マウス操作を最適化
  • ウルトラワイドディスプレイ対応
  • Nintendo Switch版にて配信されている更新データVer.3.6.1までの内容を含む形でのリリースを予定
  • 2022年2月末にNintendo Switch版との配信内容の同期を予定
  • Nintendo Switch版とのクロスプレイ・クロスセーブは非対応

Nintendo Switch間のクロスプレイ & クロスセーブは非対応とのこと。残念ですが「モンスターハンター」は緩やかに衰退していくと思います。

またPC版ですが、公式サイトの動作環境を見る限りではかなりの性能が必要となってくると思われます。「AMD FX-8300」と「AMD Radeon RX 570(VRAM 4GB)」を以てしてもグラフィック「中」設定で、1080p/30fpsのゲームプレイが可能…です。

そもそも公式サイトに1080P/30FPSの最低環境・推奨環境の記載しかないのがお察しです。ユーザーが何を求めているのか…開発者の方達は考えて欲しいですね。

総評:★★★★☆
シナリオ:★★★☆☆
ゲームシステム:★★★★☆(オンライン関連は★☆☆☆☆)
音楽:★★★☆☆
アクション要素:★★★★★

■ こんな人にオススメ!
・シリーズのファン
・アクションゲームが好きな人

補足 & 備忘録